
福岡への出張や旅行のお土産として不動の人気を誇り、「傑作まんじゅう」の名をほしいままにする「博多通りもん」。 一方で、大阪土産の新たなスタンダードとして急速に知名度を上げ、テレビCMでもおなじみの「月化粧」。
空港や駅のお土産売り場でこれらを見かけたとき、あるいは職場や友人から頂いたとき、ふとこんな疑問を抱いたことはありませんか?
「この二つ、見た目も味もそっくりではないか?」 「結局のところ、何が違うの?」
パッケージを開ければ、どちらも優しい黄色の丸いフォルム。一口食べれば、口いっぱいに広がるミルキーな甘さ。 実は、どちらも「ミルク饅頭(西洋和菓子)」という同じジャンルのお菓子に分類されます。しかし、実際に両方を並べて交互に食べ比べてみると、皮の質感、餡の口溶け、鼻に抜ける香りの余韻に、作り手の明確なこだわりの違いが存在することに気づきます。
また、インターネット上で頻繁に議論になる「どっちが先(元祖)なのか」「パクリではないのか」という際どい疑問についても、公式の歴史を紐解くと、それぞれの誕生背景とブランドの矜持が見えてきます。
この記事では、博多通りもんと月化粧の違いを、味、カロリー、原材料、そして歴史の観点から徹底比較します。さらに、実際に食べる際に試してほしい「美味しい食べ方」も紹介し、それぞれの魅力を余すことなくお伝えします。
博多通りもんと月化粧の違いとは?味・カロリー・値段を徹底検証

「似ている」と言われがちな両者ですが、そのスペックや味わいを細かく分解していくと、全く異なる個性が見えてきます。ここでは客観的なデータと、五感を使った主観的な実食レビューの両面から深掘りしていきます。
大阪名物「月化粧」と福岡名物「博多通りもん」の基本スペック比較
まずは基本情報を表で整理しました。これから購入を検討している方や、手土産としてどちらが適しているか悩んでいる方は、こちらのスペックを参考にしてください。
| 項目 | 博多通りもん | 月化粧(みるく饅頭) |
|---|---|---|
| 販売元 | 明月堂(福岡県) | 青木松風庵(大阪府) |
| 発売開始 | 1993年(平成5年) | 2010年(平成22年) |
| 価格(税込) | 6個入:980円(1個あたり約163円) | 6個入:930円(1個あたり約155円) |
| カロリー | 115kcal(1個あたり) | 116kcal(1個あたり) |
| 賞味期限 | 製造日より約3〜4週間 | 製造日より約30日 |
| 大きさ・形状 | やや平べったく、しっとり濡れた質感 | まんまるで少し高さがあり、サラッとした質感 |
| 特徴 | バターの風味が濃厚で皮が極薄 | 練乳のミルキーさが強く皮がふんわり |
| 受賞歴 | モンドセレクション金賞23年連続受賞 | モンドセレクション金賞10年連続受賞 |
※価格は記事執筆時点の公式サイト等の情報を参考にしています。
>> 博多通りもんの価格一覧
こうして比較すると、カロリー(わずか1kcal差)や賞味期限にはほとんど差がありません。価格帯も非常に近く、1個あたり150円〜160円前後という設定は、職場へのバラマキ土産としても、自分へのご褒美としても絶妙なラインです。まさにライバル関係にあると言えます。
しかし、スペック表には現れない決定的な違いが「皮の厚み」と「水分量」にあります。詳しい情報は明月堂公式サイトおよび青木松風庵公式サイトをご確認ください。
【実食】味や食感の違いはどう違う?

実際に両方を用意して、同時に食べ比べてみました。パッケージを開けた瞬間から、それぞれの個性が漂ってきます。
1. 見た目と皮(生地)の違い:質感が全く異なる
袋から取り出すと、まず指先に伝わる感触が違います。
2. 餡(あん)の味と風味の違い:バターvs練乳
一口食べた時の印象は、似て非なるものでした。味の構成要素が異なります。
結論: こってり濃厚でリッチな満足感を求めるなら「博多通りもん」、ミルキーで優しい甘さとふんわり食感を求めるなら「月化粧」がおすすめです。
原材料とカロリーから見る「似ている理由」
なぜこれほどまでに「似ている」と言われるのでしょうか。それは、原材料の構成が非常に近いためです。両者のパッケージ裏面に記載されている原材料を比較分析してみましょう。
どちらも主原料は「白あん(インゲン豆)」です。そして、そこに「バター」「練乳」「卵」を加えて乳化させています。これが「ミルク饅頭」と呼ばれるジャンルの黄金比です。 白あんの淡白な味わいが、乳製品のコクを最大限に引き立てるキャンバスの役割を果たしています。この「白あん×乳製品」という組み合わせは、日本人の味覚に非常にマッチする発明と言われています。
しかし、配合の順序(含有量の多い順)に注目すると、メーカーの意図が見えてきます。
カロリーについては、前述の通り通りもんが115kcal、月化粧が116kcalと、ほぼ誤差の範囲です。 ご飯お茶碗軽く一杯(約100g)が168kcal程度であることを考えると、おやつとしては決して低くはありませんが、1個あたりの満足度が高いため、食べ過ぎなければ許容範囲でしょう。
博多通りもんと月化粧はどっちが先?パクリ疑惑の真相と購入方法

インターネットで検索しようとすると「パクリ」「似てる」「どっちが先」といった少し不穏なサジェストキーワードが出てくることがあります。ここでは、それぞれの歴史と背景を整理し、その疑問に終止符を打ちます。
発売日はどっちが先?歴史を紐解いてみた
結論から申し上げますと、歴史が古いのは福岡の「博多通りもん」です。
発売時期には17年もの差があります。 この事実だけを見ると「月化粧が後発である」というのは間違いありません。しかし、これを単なる「パクリ」や「模倣」と片付けるのは早計です。
月化粧を販売する青木松風庵は、もともと1984年創業の実力ある和菓子店です。月化粧の開発にあたっては、北海道産のバターやインゲン豆など素材に徹底的にこだわり、独自の配合で「大阪の人間に愛される味」を作り上げました。実際に食べてみるとわかる通り、食感や風味の方向性は明確に差別化されており、それぞれの地域で独自の進化を遂げたと言えます。
「博多通りもん」が切り開いたミルク饅頭というジャンルに対し、「月化粧」が大阪から新たな解釈で参入し、市場全体を活性化させたと捉えるのが自然でしょう。ラーメンに「家系」や「二郎系」があるように、ミルク饅頭も一つのジャンルとして確立されたのです。
日本全国にある「ジェネリック通りもん」の存在
実は、「白あんにバターや練乳を練り込んだ皮の薄い饅頭」=「ミルク饅頭」は、博多通りもん以前から日本全国に数多く存在しています。ネット上では親しみを込めて「ジェネリック通りもん」などと呼ばれることもありますが、それぞれに長い歴史や地域性があります。
このように、ミルク饅頭は日本人が好む普遍的な味であり、その中で「バター最強の通りもん」と「ミルキーな月化粧」が西日本の二大巨頭として君臨している図式なのです。
結局どっちがおすすめ?購入場所とまとめ

ここまで、博多通りもんと月化粧の違いを比較してきました。 最後に、「結局どちらを買えばいいの?」という疑問にお答えするために、購入場所の利便性とおすすめのタイプをまとめます。
購入場所の違い(ここが重要!)
タイプ別おすすめまとめ
よくある質問(Q&A)
最後に、博多通りもんと月化粧に関してよく検索される疑問をQ&A形式でまとめました。
Q. 博多通りもんは大阪で買えますか?
A. 原則として大阪の店舗では購入できません。ただし、百貨店の「九州物産展」などの催事期間中には販売されることがあります。確実に手に入れたい場合は公式通販がおすすめです。
Q. 月化粧は東京で買えますか?
A. 常設店舗はありませんが、催事やアンテナショップで取り扱われることがあります。基本的には関西圏のお土産となります。
Q. 賞味期限が長いのはどちらですか?
A. 月化粧の方が若干長く設定されています(約30日)。通りもんは約3〜4週間です。どちらも個包装で脱酸素剤が入っているため、お土産としては十分な日持ちがあります。
Q. 生月化粧とは何ですか?
A. 月化粧には、店舗限定・消費期限が短い「生サブレ」や、焼きたての「月化粧」を提供する店舗があります。通りもんにはこのような「生」タイプの商品は現状展開されていません。
それぞれのこだわりが詰まったミルク饅頭、どちらも日本を代表する素晴らしい銘菓です。 福岡に行った際は通りもんを、大阪に行った際は月化粧を。もし両方手に入る機会があれば、ぜひご自身で「食べ比べ」をして、その微細な違いを楽しんでみてください。
